僕らの心 長編
□甦る
1ページ/8ページ
「…1度しか言わないからね」
「あぁ…」
その途端不思議な紫色の空間に私と閻魔だけが浮いた
…閻魔の幻術か
この世の全てを無視した閻魔の世界
閻魔は空高く閻魔帳を投げた
頁のめくれる音が響く
なんだか水の中にいるみたいだ
「死者を生き返らせる。
これは自殺の次の大罪だよ。
だから、太子
どうか、どうか
自分を見失わないで」
閻魔帳が私の手に落ちる
死者を生き返らせる
○妖の魂をひとつ。
○妖、または人間の肉体
○閻魔の血
「…これだけか」
「結構難しいんだよ?妖なんてそんなにいないし。あ、鬼男くんは違うからね。肉体とか相手殺さないとダメだし。あと、俺の血?俺の血は忠誠を誓う人にしか渡さないよ」
「そうか。ありがとな」
閻魔帳のその頁を破る
閻魔の空間が終わると同時に
閻魔の体が薄くなる
「近々、また会うだろうな。閻魔」
太子はニヤリと笑った