職場で繋がる
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『お待たせしました、ケーキセットです』
昼を過ぎれば、店は大忙し。
中は地元の奥様方で賑わい、世間話に花を咲かせている。
「灯ちゃん、今日もお疲れ様」
『本日もご来店ありがとうございます!奥の席が空いているので、どうぞ』
当然、常連も来る。
注文を聞くとき、届けるとき、会計などで仕事以外の会話をするのは少し楽しかったり。
ピークが過ぎるのは夕方頃。
子供が帰ってくる時間に、奥様方は解散する。
次に来る客の大半は学校終わりの学生。女子はガールズトーク、男子は巫山戯合った話などで賑わう。
偶に重い話があったりするけれど…。
「よ!真面目にやってるか?」
『天火!面接は?』
「いらっしゃい、天火。時間ピッタリだよ」
天火と白子が揃った事で、女子の黄色い悲鳴が響き渡る。
この二人、美形な為 大変モテるのだ。
…ちょっと待て
『え、もしかして…』
「灯、お兄ちゃん 此処で働けるように頑張るからな!」
面接受けるの此処だったのか!
白子は手際良く面接の準備をしている。知っていて教えないなんて人が悪い。
「灯、少しの間 店をよろしく」
『…はい』
そして面接が終わったのは、約10分後のこと。
白子と天火の満面の笑みを見て、ああ多分 一緒に働く事になるだろうなと予想した私に疲れが一気に押し寄せた。