職場で繋がる

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今日は豪雨。
歩くのが困難な豪雨でも店は営業しています。
こんな日はお客も来ないので、いつものメンバーと新メンバーと会話中。


「で、新しいメニューを取り入れたら如何かと思うんですけど」

「空丸様と話し合ったんです。
サンドイッチの他にオムライスなども出せば、お客様も喜ぶのではないか…と」

「良い案だと思うよ。
ただ、ランチメニューを作れるのは灯と空丸だけだから、灯の判断に任せるけど」

『賛成ですよ。下準備は小太郎に任せます』

「問題ない」

「…俺は?」

「天火はいつもどうり、接客ね」

「俺だけ変化なし⁉︎」


空丸と都合が合う日に試作を作る事が決まった。
最近は錦ちゃんも小太郎も此処に馴染めてきたようで、二人を招き入れた私としては、とりあえず一安心する。

例の怪しい人物の事は警察や学校、地域の人達にも警戒してもらって、奴らの話は この周辺では あまり聞かないようになっていた。

だから気が抜けていたのかもしれない。


「お客さん 連れて来たっス!」

『あ、いらっしゃいま……』


一つの可能性を見落としていた


「邪魔するよ」

「そこで道を聞かれたんスよ。近くだったから案内したっス!
……灯姉?」


彼らが周辺をうろつかなくなった。何故?
目的のものを捜し当てた為、探す必要がなくなったから。


「捜したよ。灯」

『……貴方は』


二人の男を引き連れて、店に入ってきた一人の男。
屈強な男達を連れた優男には見覚えがあった。

私と似た同じ雰囲気を持った男は母に貰った写真に写る人物と同じ顔をしていた。


『今更、何をしに来たんですか。
…父様』


その写真は、私と母と…父の家族写真。
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