詰め合わせ
□ハッピーホワイトデー
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「…どうしたんだよ、姉貴」
朝から驚いた顔で居間を見つめる次男、空丸。
今日は剣道部の朝練が無いと云うのに…疲労で倒れない内に、休ませなければと常々 思う。
『ふふっ、今日は白子とデートなの』
「だからって、今日くらい遅く起きても......」
『それは空丸だって そうでしょう?』
時刻、午前5時前。
カフェの開店時間もデートの待ち合わせ時間も10時。本来ならば、もう少し遅く起きても大丈夫なのだが、習慣だろうか?お互い早くに目が覚めてしまう。
『今日はごめんね、せっかくの休みなのに』
「べつに。姉貴だって休みは久々だろ、楽しんでこいよ」
微かに頬を赤く染める空丸。
これは抱き締めても仕方が無い。
『かっわいいなぁ!』
「気持ち悪い!」
『痛い!』
朝から蹴飛ばされました。大丈夫、これくらいでへこたれない。
『でも少し心が痛い』
「大丈夫っスか⁉ななし姉
‼」
『大丈夫。おはよう、宙太郎。早起きだねぇ』
「空兄とななし姉の声が聞こえたから、早起きしたっス!」
えへへ、と笑う宙太郎。普段からこうであってくれれば手間が省けるのだが、そこは流石 天火の弟だと思う。
「ほら、早く座れ。飯が冷める」
「あいっ!」
『じゃ、全員揃った事ですし』
「「『いただきま「全員揃って無い!お兄様忘れてる!一家の大黒柱、忘れてるからっ‼」……ぁ』」」
「俺の扱いが酷い!
くっそぅ、全員で放置プレイか!放置プレイなのか⁉」
朝から煩い。目と鼻から液体を流すな、拭け。
この暴言は心の中に留めておく。
『忘れてた。ゴメンネ』
「ほーちプレイって何スか?」
「さぁな。兄貴、早く座れよ。姉貴が作ってくれたんだから」
「謝罪に全く心が篭ってない!宙太郎はまだ知らなくていい!空丸は無視か⁉
お兄ちゃん悲しい!ななしと空丸が反抗期!」
「朝から賑やかだな」