ラクサス

□11
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ある日の昼下がり。

ルーシィとエルザ、そしてオーレリアは、マグノリア1の店舗数を誇る通りにやってきていた。


「ああ、やっとオーレリアとお買い物ができる!」

「ああ。たまにはこういうのもいいな」


かなり嬉しそうにしているルーシィにエルザも同意する。

一方当のオーレリアはといえば、そんな二人のテンションについて行ききれていない様子で苦笑していた。


「あの、私のことは気にしないで二人とも、好きなようにしてくださ...してね」


まだタメ口には慣れていないオーレリア。

それを改めて注意することはせずに、その代わりルーシィはオーレリアに詰め寄った。


「なーに言ってるの!今日はオーレリアを可愛くするために来たんだから!」

「そう気を使う必要はない。今日は私たちに任せてくれ」


二人から揃ってそう言われてしまったオーレリアはまだ戸惑っていたが、結局あきらめて「よろしくね」と答えたのだった。



「あーっこれも可愛い!」

「これなんかもいいんじゃないか」

「ここここれはちょっと可愛すぎるんじゃ......」


目が回る勢いでオーレリアの服を選んでゆくふたりに振り回されつつ、オーレリアはあてがわれた服に顔を赤くする。

それは白地にピンクの花柄とフリルがあしらわれたいかにも可愛い感じのワンピースだ。


「いやいやオーレリアはぜーったいこういうのが似合うって!」

「でも私手に剣だことかありますし、傷もそれなりにっ」


恥ずかしさと焦りで敬語に戻っているがそれに気付く余裕もない。


「剣だこくらい問題ないって!はい、じゃあこれとこれとこれ、試着してきてね」

「うわああ」


オーレリアがグイグイと押されて試着室に放り込まれる。

嵐のような勢いから一旦離れて、オーレリアは一息ついたのだった。


改めて、手渡された服を見る。


「これは...」


どれもパステルカラーが基調になった可愛らしい服ばかりだ。

これを今から自分が着るのかと思うと尻込みしたが、ルーシィのあの剣幕を思い出すと着ずに済ますことはできなさそうだ。

ごくりと唾を飲み込んで、決意したようにオーレリアがハイネックを脱いだその時。

シャッ

「オーレリア、これも試着に加えて......」

「えっ!?」


何に予告もなく試着室のカーテンがエルザによって開かれた。

びっくりして言葉のでないオーレリアを見て、エルザもまた固まっている。

正確には、オーレリアの晒されている背中を見て唖然としていた。


「エルザさん.....?」


数秒してオーレリアは、自らの背中には沢山の壊死した魔水晶の痕があることを思い出した。


「えっと、これは、」

「......少し待っていろ、服を選びなしてくる」


何と説明したものかと戸惑ったオーレリアを遮り、エルザは元々あった服を回収すると試着室を離れていった。

しばらくしてエルザから手渡された服たちはどれも肌の露出が低いもので、
オーレリアはエルザの気遣いを嬉しく思った。


「あれ、結局違うのにしたの?」

「ああ、オーレリアはあまり肌を露出しないものがいいらしい」

「......はい」






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