love and sin
□ IV 「憂鬱」
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さっきまでみんなと一緒にいたせいか、1人になると少し寂しい。
「はぁ………、なんでだろう……。
1人だと心が重い…。」
私は着替え、ベッドに横になりながら兄弟のことを考える。
ホムンクルスの兄弟は、存在そのものが罪の塊のせいか、みんな個性が強い。
男の子という感じのプライドが一番年上で、見た目とは合わず話し方が落ち着いていて驚いたり、
グラトニーはすぐに何かを食べようとし、
スロウスに至ってはまず会話にならない。
グリードにいきなり肩を抱かれて、「お前は俺のものだ。」と言われ、胸に手が伸びてきたときなんかは、一瞬寒気と殺意がわいた。
チッ、あいつ実は色欲だろ……。
結局、キレかけたエンヴィーのおかげで私は無事だったけれど、これからは気をつけようと思う。
そう考えると、私は比較的まともだと思う。
いや、人間らしいのか。
まだ嫌いな人間に近いんだ………、
なんて憂鬱なんだろう。
私はいつの間にか、眠りについていった。
まだ、彼女は気づいていない。
人間の心の大切さを。
まだ、彼女は気づいていない。
彼女は“憂鬱”のホムンクルス、グルーム。
もうとっくに、るなではなく、
グルームになってきていることを。
運命の歯車は回り始めた____。
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