love and sin
□VI ココロ
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ずっと部屋にこもるのにもそろそろ飽きて、何となく、ラストならこの悩みを聞いてもらえるような気がしたため、久々に部屋を出て彼女を探して歩いてみた。
声が聞こえる方に行ってみると、ラストにエンヴィー、そして珍しくプライドもいる。
「あ、ラスト……。今って大丈夫?」
「あらグルーム久しぶりね。
もう話も終わったし大丈夫よ。
あの日帰ってきてからずっと部屋に居たみたいだけど、エンヴィーにでも苛められたの?」
「やだなぁ。そんなことしてないよ、ねぇ?」
「うん、エンヴィーの口が悪いのはいつものことだし、今更傷ついたわけじゃないよ。」
「はっ、グルームの方が口悪いじゃん。」
「いや〜、それほどでも。」
「本当、生意気。」
「結構よ。」
お前ら2人とも対して変わらない、なんて思いながらもプライドは眺めている。
「それで?グルームは一体どうしたの?」
此処まできて話すことを戸惑う。
だけど、みんなのき気持ちも聞いてみたくて、勇気を出して尋ねてみた。
「………………、あのさ、
みんなは人を殺したときって、どんな事思うの?」
「えっ、あなたもう人殺しちゃったの?」
私は声は出さずに頷く。
「何があったのですか?」
「あぁ、そんなこと。
外に出た日グルームが攫われかけちゃって、初めてだったのに派手に殺ちゃったもんねぇ。
もう元の形なんか分かんない位にぐちゃぐちゃにしちゃって。
いっそのこと、見ていてスッキリしたよ。」
「あんたがついて行ったのに、どうしてそんなことになったのよ。
人間どもに気付かれたらどうするの!」
「だってー、グルームがどうやって殺るのか見たかったしww
そしたらもう見事ぐちゃぐちゃ、ってワケ。
結局気づかれてないんだからいいじゃん。
僕ぐちゃぐちゃにするの好きなんだよねー。」
「悪趣味な。」
「あんたやっぱりえげつないわね。」
「エンヴィー性格悪い……。」
「ええー、でも僕が悪趣味ならグルームも同じだと思うけどなぁ。
まさか、人間が可哀想とでも思って悩んでるんじゃないよね?」
「違うわ。
……………むしろ、罪悪感が一切湧かないことに悩んでるの。
こんなにあっさり、人間を殺せちゃうことが怖い。
このまま行けば、何か大切ものを無くしてしまう気がする……。」
「ハァ、何言ってんの?
人間なんか別にどうなったっていいじゃん。」
エンヴィーに答えを求めるのはやっぱり間違いだ。当てにならない。
「まぁ、それは慣れですね。
私たちは存在自体が罪からできていますから、私も罪悪感はありません。
まぁ、あなたたちのような殺し方は好きませんけれど。
私たちは、ただ目的のために動くだけです。」
「そうねぇ、私も罪悪感は無いわ。
仕事に支障が出るのは困るけど、まぁ、存分に悩みなさい。
それが大切だと思うわよ。」
「うーん…………、
人間なんか嫌いなのに、人間の心が少し羨ましいだなんて………。
私ってホムンクルスになりきれてないのかな?
なんか憂鬱だわ。」
(((お前完璧に憂鬱のホムンクルスだろ)))
そこにいた全員がそう思ったとか。