love and sin

□XII 心の傷
2ページ/4ページ



どうして…?




えりはここに居るはずがないのに…。



だけど見間違える筈がない。

髪の毛の色、目の色、
どちらも変わってしまっているけれど、
あの顔は絶対にえりだ。



年齢は十代後半から二十代前半くらい。

ということは、エリーシャがえりなら人間だから、転生した頃は私とあまり変わらないかもしれない。

私を殺してから彼女もすぐに死んでしまったのかしら。







彼女に聞きたいことは沢山ある。


どうしてここにいるの?
どうして私を殺したの?
どうして私を裏切ったの?
私のことを友達だと言ってくれたのも全て嘘だったの?




どうしてどうしてどうして
「ねぇ、」
どうしてどうしてどうしてどうして…
「ねぇ、グルーム」
どうしてどうしてどうしてどうしてどうして…


また私のことを殺しにきたの?
せっかく忘れられていたのに………。


ねぇ、どうして?







「だから、ねぇってば!!
ちょっとグルーム大丈夫?」
 

「………へっ!?
あっ、ごめん。聞いてなかった……。
私は大丈夫、だよ…?」


「ウソだ。あんた全然大丈夫そうに見えないんだけど。
しかも震えてるし。
なに考えてるのか知んないけど
いいからこのエンヴィーに話してみな。」





言われて初めて、自分が震えていることに気が付いた。

それに、エンヴィーに背中をさすられると、何故だかとても安心してしまう。

私はポツリポツリと、生まれ変わる前のことを話し始めた。

     
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ