めいん

□七つの大罪
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「メリオダス。それが俺の名前だ」



彼はにこやかにそう口を開いた。



先ほどまた鎧の人から攻撃を受け、メリオダスさんが王女さまを守った。



刃折の剣を片手に、その左腕にはドラゴンの印があった。


やはり、なのだろう



私の予想はあたっていたようだ。


「七つの大罪、憤怒の罪のメリオダス」




彼は伝説の七つの大罪。




あっさり鎧人を倒してしまったメリオダスさんは、のんきな声を上げながら空を見つめる。


星となった鎧の方、お疲れ様です。




するとまた、地面が揺れた。

何が来るか予想できていた私は、急いでホークちゃんのお母さんに乗る。


心配してくれたホークちゃんの頭を撫でながらホッと息をついた。



これから色々やっかいそうです。






「あ、改めてよろしくおねがいします…
エリザベス・リオネス、王国の…第三王女です」



恥じらいながらモゴモゴと自己紹介する姿は、実に愛らしい。


思わず頬が緩んでしまった


「豚の帽子亭にようこそ!今日から頼むぞー!」



メリオダスさんの言葉にはいっ、と答えた彼女は、おずおずとこちらをみた。


ああ、自己紹介してなかったっけ…



あまりにも突飛すぎて、ボーッとしてしまう。


「私、ニコル。ここの店員ですっよろしくお願いしますね!」



にこりと笑って手を差し出すと、ホッと安心した表情で手を握り返してくれた。




「んじゃぁまず、着替えないとな!」



と、口を開いたのはどこか裏の笑顔のメリオダスさん。


あぁ、また始まったのか…


私とホークちゃんの長いため息が、やけに響いたのは気のせいじゃないだろう。


そんな私達をみて小首かしげる王女さまに、苦笑いしかでないや。








「あの〜、こ、この服装は?」



恥ずかしそうに顔を赤らめる王女さま。

メリオダスさんはドヤ顔で店の制服だ!と、親指を出し、グッとあげた。



うん、確かに露出度高いよね
だから私も服装改良したんだよ…



ホークちゃんとメリオダスさんが戯れる様子を、遠い目をして私はみていた。


「あの、一つお聞きしたいことがあって」



おずおずと口を開く。



「うむ、なんでも聞いてくれ!」


キリッとした顔で振り向いたメリオダスさん。
今日はやけにテンション高いな。



「メリオダスさまは、本当に大罪人なんでしょうか…?
だとすれば、とんな罪を?」


ハッとし、弁解する王女さまの額に冷汗がツゥと流れた。



「どんな罪、か」




ほんと、つかめない人。
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