2015年<リクエスト作品>

□ポップチューン
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新緑の季節
毎年この時期の恒例行事
全学年で行う自然学習の様なもので、山に1泊しながらハイキングやバーベキューを行う

勿論自由参加で、行かない生徒もいるんだけど・・・・・・

僕は凄く楽しみにしてたんだ
バスと寝室以外は学年に関係なく行動できる
という事は、アキラ先輩と一緒にいられるって事でしょ?
休みの日のデートだけじゃ足りない
もっとアキラ先輩とくっ付いていたい



学園を出発し、段々と緑が多く目に入ってくるようになった
1時間半ほどバスに揺られ、目的地に到着
そこは大きな建物の他に、周りに小さなコテージが並んでいた
僕は足取りも軽く、バスを駆け下りた


「んー、空気が美味い!」

「お前は何食っても美味いんだろ?」


いつの間にか隣にはアキラ先輩
大きな荷物を抱え、僕の事を茶化した


「バスも一緒に座れたら良かったのに・・・」

「それはクラスごとって決まってんだから、しょうがないだろ?」

「分かってますよ!・・・でも、今からは一緒にいられますね」

「はいはい。夜のバーベキューの準備、宜しくね」

「え、なにすれば良いんですか?僕、包丁とかは使えないです・・・」

「えぇ!?・・・使えねぇなぁ・・・」

「・・・・・・酷いです」


僕たちがそんな話をしていると、先生の集合が掛かった


「まず先に、これから行うハイキングについてだ。上級者コースと中級者コースが用意されている。各自選んで引率の方に付いてってくれ。それじゃあ、一旦荷物を置いて、20分後にもう一度ここに集合だ」


荷物を置いて来るために、みんなが一度部屋に戻っていく
僕の部屋からアキラ先輩の部屋までは結構遠かった
まぁ、学年も違う事だし仕方ない

このロッジは2人部屋で、部屋の中には2段ベッドが置いてあった
荷物をベッドの上に放り出し、扉を閉めた
そして、先程の場所へと走り出す


「アキラ先輩・・・早っ!!」

「俺たちの部屋、ココに近いからさ」

「何か・・・2年生の部屋の方がゴージャスなんじゃ・・・・・・」

「そりゃあ1年よりは良いに決まってるだろ・・・ってかさ、あんまり変わんねーって」

「あなたたちは、集まると煩いですね」

「泉先輩!」

「どちらに決めましたか?」

「僕は・・・アキラ先輩・・・どうします?」

「俺は中級でいい」

「じゃぁじゃぁ、僕も中級がいいー!」


話の合間にタツキ先輩が入って来た


「ねぇ、僕も一緒に行ってもいいでしょ?」

「う・・・あ・・・」


僕が返事に困っていると、アキラ先輩が隣で笑っている


「仕方ねぇな・・・」


僕はアキラ先輩と二人で歩きたかったのに・・・
先輩はタツキ先輩を受け入れようとした
その時・・・・・・


「タツキ先輩は俺と一緒に来てください」

「えぇぇっ・・・奏くん・・・」

「先輩はもう少し体力を付けるべきです。俺と一緒に上級に行きましょう」

「やだよぉ・・・無理だよ・・・」

「やってみない内から何を言い出すんです。さぁ、行きますよ」

「ちょ・・・待って!!やだぁぁ・・・・・・」


あっという間に上級の入口へと連れ去られてしまった
でも・・・これで、僕たち二人で歩ける
そう思ってアキラ先輩とチラ見した


「じゃあ、俺達も行こうぜ」








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