2015年<リクエスト作品>

□Bitter tears
1ページ/11ページ






日常が非日常に変わる
それは誰にでも訪れる可能性がある
頭では理解できても、当事者になるとは考えにくい
誰だってそう・・・
このままの生活が続いて行く
そう思って生きているのだから







〜side ケント


いつもの時間
いつもの場所

俺は皆と一緒に部室に居た
部活も終わって、後は家へ戻るだけ
だが、今日俺はこれから思っていることを行動に移そうとしている


「奏、悪いんだけどさぁ・・・この後ちょっとだけ良い?」

「あ、はい。構いませんけれど、何か?」

「ん?・・・・・・ちょっとな」


俺達のやり取りをアキラが二やつきながら聞いている
その視線を感じ、振り向くとアキラは堪え切れずに話に交ざって来た


「なーに、先生・・・泉だけ?何々?相談ごと?・・・怪しい」

「アキラには教えられないなぁ・・・」

「益々怪しい・・・・・・」

「何々?何が怪しいんですか!?アキラ先輩!」

「さぁさぁ、パクもアキラもいいから帰れ。先生本当に忙しいんだから、お前たちは早く帰れよ」

「はーい」


3人は鞄を持ち、部室を後にした


「ちょっと待ってて、これだけ片付けちゃうから」

「・・・はい」


奏は俺に言われるがまま部室に残った
そして大きな机に教科書を広げはじめる
真面目な性格だ

だが、俺に何を言われるのか気になるのだろう
先程からチラチラと俺の行動を監視されてる
俺はわざと焦らす様に考えた振りをしてみたりした

もうそろそろ良いか・・・
俺は立ち上がり、奏の方を向き歩く
が、そこで奏の方には向かわずに部室の入口を目指した



「・・・・・・先生、どこに・・・」

「・・・・・・・・・」




カチャッ――――




ドアの鍵を閉める音
部室の静寂の中、響き渡った





奏の視線が背中に刺さる











.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ