2015年<リクエスト作品>

□cross a red line
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最近僕の周りは嫌な事ばかり
何だかツイてないって感じ

それでも朝が来れば学校には行かなきゃならないし、放課後は部活もしなきゃならない
周りのみんなもしてる事なんだけど・・・

車を降り、校門から歩き出だす
コンスタンティンを抱きかかえ、トボトボと歩いていると急に誰かに肩を叩かれた


「お早うございます!タツキ先輩」

「うわぁっ!!・・・なんだ・・・ぱっくんか」

「何だってなんですか?」

「ううん・・・何でもないよ。オハヨ〜」


僕の曖昧な返事に不思議顔のぱっくん
そこにアキラ君と奏くんもやって来た


「朝からどうしたんですか?そんな所に立ち止まって」

「オッス!今日の昼飯何だっけ?」

「まだ朝ですよ・・・何をしに学校へ来てるのやら・・・」

「いいじゃん、別に・・・」


いつものみんなの会話

そうだ
僕の思い過ごしかもしれない
嫌なことだって続けてある時はあるんだ

そう考え直した瞬間だった


「・・・危ない!!」


何処からか大きな声が聞こえた
状況を把握する暇もなく、僕は辺りを見渡そうとすると、視界の端に何かが向かって来るのが見えた


何かが来る


そう思った瞬間、身構えて僕が取れる行動は目を瞑る事だけだった

バシンッ・・・と何かに当たる音

でも身体には何の衝撃も走らない


「大丈夫ですか!?」

「・・・・・・・・・」


恐る恐る目を開く
目の前に誰かが立っていた


「あ・・・アキラ君・・・・・・」

「・・・ってぇ・・・」


アキラ君が左腕をブンブンと振っている


「え・・・何処からコレ・・・来たんですか?」

「バスケ部・・・ではなさそうですね。アキラ、腕は大丈夫ですか?」


ぱっくんと奏くんがアキラ君に当たったものを見ている
地面を転がっている物
それはバスケットボールだった

アキラ君が咄嗟に僕を庇ってくれたのだ


「このくらい平気だけど・・・ってタツキ先輩、大丈夫?」

「・・・・・・・・・」


呆然としている僕の顔をアキラ君が覗き込んだ
僕は慌てて助けて貰ったお礼を言った


「ご、ごめんね。大丈夫だった?ありがとう」

「なんで先輩があやまんの?悪くないじゃん。逆にバスケのボールで良かったよ」

「ホントですよね。これがもし上から植木鉢とか降ってきたら・・・」


そう言いかけて自分から言い出したぱっくんが上を向いた時・・・


「マジでシャレに・・・って、うわぁぁぁ!!」


ぱっくんの叫び声とともに僕とアキラ君が突き倒された
何が起きたのかが分からない


ゴッ・・・・・・


低い音と何かが割れる音



その視線の先には・・・




「・・・・・・う、植木鉢?」








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