trap 【完】<リク>
□trap
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いつもの放課後
4人はそれぞれダンスの練習をしていた
そこにダンス部顧問、九瓏先生が資料やCDを両手に入室してきた
「次のダンス、これでいこうかと思ってるんだけど」
そう言って机に資料を下ろす
みんなもタオルを片手に机に集まる
「一応次はタツキとアキラと朴で…この曲で考えてるんだけど」
「あ、ぼくこの曲好きぃ」
ガヤガヤと三人は次のダンスの構成を話している
俺は……みんなから一番遠い所から眼鏡のフレームとだぶらせながら楽しそうに3人に説明している先生を盗み見る
先生は資料を片手に髪をかき上げた
つられて俺も前髪に手をかける
「奏も―――」
慌てて手を下ろす
まさか俺が見てたこと気づいてはいないだろうか?
平然を装って顔を上げた
「奏もこっち来て。今回は俺と組むからさ」
ドクンと大きく胸が跳ねた
こればかりは自分では制御できない
「お前たち、それで良かったら今日はこれまでだ。」
「はーい、わかりました」
「俺たちは少し話そうか、奏」
「あ、はい…」
「ちょっと待ってて。職員室にもう一つ資料あるから取ってくる。あとの3人は気を付けて帰れよ」
「はーい、じゃお先に失礼します」
残された俺は、少し落ち着かなく後片づけを始めた
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