ゴーストフェイス

□雪合戦
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窓を開けてバルコニーに駆け出し、手すりをつかむとフリージアは身を乗り出した。
「雪だーっ!!」
一面の銀世界に頬を硬直させ喜ぶ彼女の胸元からピロピロと音が鳴り始めた。
ケータイを取り出して通話ボタンを押し耳に当てる
「「師範師範っ!!外見ましたか!?」…」
雪が積もってますよと興奮ぎみに相手の声も聞かず捲し立て、はたと気づいて問いかける
「それで、何でしたっけ?」
電話口でため息をついたのだろうザラついたノイズが耳朶をくすぐった

「お前、学校は?」
「サボりです。さっき起きました」
「…」
「じ、冗談ですよ!
今日は大雪で休校だってさっき連絡があったんです。
みんな遊びにいっちゃったから、また私が留守番してるんです」
「なんだ、行きたかったのか?」

からかうように聞いてくる彼に、今度はこっちがため息をつく

「まさか。今日ぐらい寮でのんびりしとけばいいのにと思っただけです」
「しょうに合わねんだろ。じっとしておくのなんざ」
「しょうに合わない、ねえ…」

ゴスフェは納得いかないように呟くフリージアに唐突に問いかけた

「問題」
「え?」
「俺は今どこにいると思う?」

ポカンとしたフリージアの顔がみるみるうちに笑みを咲かせ、きびすを返した。

ドタドタと階段を駆け下りる音が聞こえ、いつの間に着替えたのかいつもの黒いローブにゴツい靴を履き、マスクを頭から斜めにかけた姿が1階の窓から走ってきた。

「しはーん!!」
庭の木々の中に紛れるように立っているゴスフェに体当たりする。

「ぶふっ!!」
衝撃をもろに受けた彼と共にフリージアは雪の上に倒れこんだ。
体の下で、ゴスフェが怒鳴りかける
「その抱きつき癖をっ…!!」
が、やはり話は遮られた。
「雪合戦しよう!!雪合戦!」
ああもう彼女の後ろから犬の尻尾がはえ、ブンブンと降られている幻覚さえ見える。

説教を諦め、ゴスフェは承諾した。
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