ゴーストフェイス
□バレンタイン!
1ページ/5ページ
「もうすぐバレンタインだよね?」
「ええ」
「そこで師範にチョコレートをあげたいんだけど…」
「勝手にあげれば良いじゃない。いちいち私に相談しないでよ」
2月某日、ケータイを片手にフリージアは相談をしていた。
しかし相手の反応はいまいちで、思わずその場で地団駄を踏んだ。
「いいじゃん!!他に相談する相手がいないんだから乗ってよ!!」
なんとまあ理不尽な言いぐさだろう…
電話の相手は呆れたようにため息をついて答えた。
「わかったわよ。乗るわ。相談」
「ありがとう!」
一転して嬉しそうに声を弾ませるフリージアに、電話越しでも表情がわかるわと苦笑する相手にさっそく質問する。
「シドニーはどんなチョコレートのお菓子もらったら嬉しい?」
「そうね…私は生チョコかしら。甘くて苦くて美味しいわよ」
「おお。大人だねシドニー」
感嘆のため息を漏らすと同時に紙に鉛筆を滑らせながらメモを取る。
「ふむふむ…甘くて苦い生チョコ、っと」
「それより」
「?なーに?」
「チョコレート、あげて大丈夫なの?」
「なんで?」
「あんたたちのことだからハリーとか言うバレンタイン&リア充嫌いなツルハシ男とつるんでるんでしょう」
「はっ!!」
「その男に気づかれたら血祭りにあげられるわよ」
「…っ」
「せいぜい気を…あら?切れてる」