思い付きネタ


◆ひっつき虫 

ハリー先輩目線

「(…)」
「どうしたんスか?」
「(お前、その背中の気にならないのか?)」
「もー馴れました」

何事も慣れッスよと笑いながら、ゴスフェは自身の武器を手入れする
奴の腹には黒いローブに包まれた腕がしっかりと回っていた。
ローブ越しに心臓の音を聞き取ろうとするように押し付けられた体は、微かに上下している
閉じられた眼は開かない

「(よくまあこんな無防備に…)」
「ほんとそれですよねー」

俺殺人鬼なのに何でこんなに懐かれちゃったんだろー…呟きながらも手を止めないこいつに疑問を抱く
「(ムラムラしたりしないのか?)」
「はあっ!?」
珍しい返答を聞けた
「(背中にひっつかれるといやが上でも胸の存在を…)」
「ちょちょちょちょちょっ!なんなんすかいきなり!!」
「(図星か。いや、いいんだむしろ安心したお前も健全な男子だったんだな。)」
「〜〜〜っ!!」
呻き声が漏れる。マスクをしていて表情は伺い知れないが多分真っ赤だろうこいつは何気にうぶな所がある

「う、ん…」
ゴスフェの背後のひっつき虫が目を覚ましたらしい

寝ぼけたように目を擦りながら彼女は呟く「けんぜんなだんし?」
奴の肩が、面白いほど跳ねあがった
「なんでもないからな!!」
強気に叫ぶが眠そうにうんと頷く姿を見るとあまり様子が飲み込めてないようで…
おれは彼女の耳に顔を寄せ呟いた

「あんまりゴスフェに引っ付いてやるな意識されると喰われるぞ」
「喰いませんよ!!」
割り込まれて、吠えられる
「俺たちもう帰るんで又今度!!!」

一方的に別れられおれはひとりで低く笑った
「楽しすぎだろあいつら」

2014/12/21(Sun) 19:49

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