ああ、天女様!

□1.天女が舞い降りたらしい
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美味しいご飯を食べるため、忍たま敷地内の食堂を目指す。

天女様に会いたくないっ!と、他のくのたまが意地を張っちゃって、ここまで一人で来たのだが…途中で天女様を見つけた。

あれ?今日は味噌汁作らないのかなって、のんびり考えている。

よく見ると、天女様は忍たまの五年生に絡まれている様だ。
むー…ゆゆしき事態だ。
普段の私なら『知らない』って、スルーするのだが…天女様が完全に困っているみたい。

「天女様!薪割りなら俺が代わりますよ!」
「天女様!重いと思いますので、僕が運びます!」
「天女様!」
「え、あ、あ…」

周りの忍たま達が次々と天女様の持っていた薪を取り上げて、割り始めた。
オロオロし始めた天女様は「お仕事、どうしよう…」と、小さく呟いてるようだ。

なんとまぁ可愛らしい。
他のくのたまが見たら嫉妬の炎どころか、どす黒いオーラを解き放ちそうな光景だけど。

それよりも…

『あれじゃあ、味噌汁は断念だよねー…』

実に惜しい事をした。

おばちゃんには悪いけど、美味しいはずの食堂のご飯がちょっと味気なく感じてしまった。

食堂に居た忍たまは、下級生ばかりで皆が眠そうにしていた。
よっぽど、委員会が忙しいんだろう。

後片付けをしているおばちゃんのお手伝いをすると、天女様がやっと帰ってきたみたいで私はおばちゃんに礼を言って退散した。

「…今の…」
「あら天女様、薪を持ってきたのね…次はお使いを頼もうかしら」
「あ、はい!」




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