ああ、天女様!
□6.初歩と気持ち
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あれ?ここ、どこだっけ?
目の前にいるのは、誰だろう。
顔が見えない。
頭がうまく働かない。
寒いなぁ。
誰かが、私に触れてて…暖かい。
「死なないで…助かるからッ…お願いだから…まだ一緒に居たいよ…!!」
答えたい。
でも…腕が、足が、指が、喉が…どの体の器官も働かない。
大丈夫だよ、って言いたい。
心配しないで、って安心させたい。
だから、そんなに泣かないで。
そしてまた、私は深い眠りにつこうとする。
……ああ、また夢だったんだね。
けど、まだ思い出せない。
大事な大事な、…の名前。
…やけに、薬草の臭いがするなぁ。
『ん…あれ?』
気が付くと、そこは薬品の臭いが鼻につく医務室だった。
医務室なんて久々だ!
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