ああ、天女様!
□13.余談と暇潰し
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ゆっくりと目を覚ますと、枕の側にご飯が置いてあった。
普通の人なら、あんなものを見た後に食欲がないと思う。
だが、夢だから気にしない。
『ん、うまい』
誰が置いていった知らないけど、スッゴク美味しいです。
忍たま五年の先輩に襲われて約三日、毎朝目が覚めるたびに置いてあるご飯でお腹を膨らませ、部屋で本を読んでた。
新野先生から授業参加禁止命令を出されて、暇だ!!って思ってたけどこうして本が読めるから構わない。
内職道具は取り上げられたけど。
内職は生活費と学費がかかってるからなー…まぁどの道、腕が固定されてるから動けないけどねー。
本を読むのは大好きだし、楽しい。
けど、流石に…三日も一日中ゴロゴロするの飽きた。
それに片手で本を開くと、シワになるから嫌なんだよねー。
後さー、誰一人見舞いに来ない。
忍たまや雨音さんは兎も角、くのたまの友達すら来ないとか…まぁいいけどね。
まぁ、作戦をうまくやってる証拠でしょう。
下級生だけってのは心配だけど、綾部くんが付いてるから大丈夫…だと思う。
とーないちゃんと久作くん辺りが変な気を起こさなければ、の話だけどねー。
あー…また暇になってきた。
部屋、抜け出したいなー…。
うん、抜け出したい…と言うかねー…
三日前からずっと誰かに見られてるんだー。
相手さん、そろそろ飽きないのかなー。
流石に、見られてるのは気分よくないよー。
気配の消し方的に、上級生だとは思うけどねー…癖があると言うか、なんと言うか。
せめて見張りならさー…体臭くらいは消してほしい。
だって、ちょっと獣臭い。
あ、この先輩の名前…誰だっけ?えーっと…八、八…思い出せない。
私を襲った一人なんだけど…頭がボサボサ以外覚えてないよー。
てことで、お話相手になってもらいしょー!
『暇なので、お話しませんかー?』
私がそう言うと、微かに屋根裏から音が聞こえた。
うん。やっぱりあそこか。
雨音さんにベタぼれの未熟物め!
久々の忍者らしい活動で鈍ってますよー。
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