ああ、天女様!
□15.嘘と殺意
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「おほー…殺気がヤバイですね…」
「……」
木の影に隠れ、殺気立った七松、鉢屋、不破、滝夜叉丸の四人の様子を伺う。
竹谷は苦笑いするものの同じ組の鉢屋と不破の様子に、戸惑いもある。
なにより、二人とは同じ組でもかなり優秀な方だ。
特に鉢屋は変装の達人だけあって、実戦に手慣れている。
いくら竹谷が力に自信があると言っても、すこしばかり不安が積もる。
そして、中在家も同じ組の七松が相手だ。
実戦に強い体育委員会の力の強さだって、二人方が見るからに不利。
だが、策がないわけではない。
そう…彼らは忍の卵。
正面勝負が全てではない。
ズボッと落とし穴の音がして、戸惑って反応に遅れた不破と滝夜叉丸の悲鳴が轟いた。
「(綾部の罠とヒノエの罠、どっちもえげつないな…)」
なんて考えながら、罠に掛からなかった七松と鉢屋の相手をすることになる。
久々の戦いに、恐怖すら覚えつつ四人の攻防がしばらく続いた。
「……なるほどね」
「よく考えたものですね…でも」
「考えが甘すぎるよ」
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