全力で遊べ!!

□10.余計なこと
1ページ/5ページ

「新しくバレー部のマネージャーになった東雲 久住だ!!」
『………』

フルフルと顔を横に振る私。

えー…何故か暴君先輩に気に入られ(?)て無理矢理第1体育館に連行された。

そして現在、ここにいる全員に見られている。

視線が痛い!!初日の自己紹介を思い出す。

ああ、あの日の悪夢が…

「な、七松先輩…その子、なんか魂が抜けかけてるみたいなんですけど…」
「ん?おい!しっかり挨拶をしろ!」
『ひっ…は、はい…ちゅ、中等部1年、3組の…東雲 久住、です…まだ、マネージャーになるとは…言ってません』

あ、涙が出そう。

「なんでだ?私がマネージャーになっていいって言っているんだ!何故入らない?」

本気で言ってんのかこの人は。

他の部員の人達なんて顔引きつってるし、中には同情の目で見てく人がいるんですけど!!

「先輩…まさか、また返事もしてないのに連れてきたんですか…」
「あはは!細かいことは気にするな!!」

この人の笑顔が心底怖いんですけど。

「お前、災難だったな…」

モップみたいな頭の人が同情の目で見てくる。
ジャージが高等部の色だから歳上だと思うけど、失礼します。

『災難だと思うなら逃がして下さい』
「それが出来ればなー…」

ははっと苦笑いする先輩の頭を殴りたくなったけど、流石にそんなことはしない。
初対面ですし。

『あの、暴く…七松先輩…』
「ん?なんだ」
『…何故私をマネージャーに?』
「私の勘だ!!」

動物か何かかこの人は。

「よーし、竹谷!尾浜を呼んでこい!私は長次を呼んでくる!」
「あ、はい!」

……………ん?尾浜?

「勘右衛門ー」
「うへー…俺、今日は英会話同好会の日だったのに…って、あれ?東雲ちゃん」

何やってんスか、尾浜先輩。

「え、二人とも知り合い?」
「委員会の後輩」
『委員会の先輩です』
「おほー…学級委員会の二人が捕まったか…」

また同情された。

「八、同情すんな!」
『同情しないで下さい』

尾浜先輩が…えっと…た、竹…モップ先輩にデコピンをかます。

モップ先輩がおでこを押さえていたけど、心の底から思いました。

モップ先輩ざまぁ。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ