全力で遊べ!!

□11.問答無用
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えー…何故かバレー部に文句を言おうとしたら、いつの間にか始まっていたサバゲの審判をさせられている副学級委員の東雲 久住です。

もう、逃げるのは諦めました。

決して乱太郎くんや庄左ヱ門くんに宥められたとか、加藤くんの負けた姿をみたいとか、そんな私情ではありませんよ。はい。

休憩所の乱太郎くんと加藤くんに別れを告げ、バレー部のドリンクを持ったまま庄左ヱ門くんに手を引かれて学級委員会が審判をしている陣地についた。

なんだこの完璧な休憩所は。

「よ、東雲ちゃん!」
『尾浜先輩。今の私は、非常に腹立たしく、機嫌がよろしくないので話し掛けないで下さい。うどん頭を引きちぎりますよ』
「勘右衛門、東雲に一体何をしたんだ…」
「あはは…」

丸め込まれたからと言って、バレー部にいた人達に怒っているのは今も変わりませんよ。

『腹立たしいですが、ドリンクです』

ムカついているので、ドリンクを投げましたけど、尾浜先輩は余裕綽々と受け止めた。
チッ。

「お、実況で喉渇いてたんだ〜」
『知ったこっちゃないです。…あれ?鉢屋先輩、今福くんはどこですか?』
「彦四郎なら、ほら…あっちでクラスの仲間にイエローカード見せにいってる」

言われた方を見ると、1組の人達が今福くんにブーイングをしているところでした。
うわ、今福くん…すごく困った顔をしています。
可哀想ですが、あれではダメです。

『鉢屋先輩、審判の腕章とノートを貸してください』
「ほい。東雲、サバゲのルールは…」
『来るまでに庄左ヱ門くんからルールブックを貰いました。頭には入っています』

今回のゲームはフラッグアタック・フラッグ戦。
2チームに分かれ、互いに適当な場所に陣地を決め、旗を掲げる。
今回の場合は、会計・用具・体育委員会のA軍対、生物・図書・美化・風紀委員会のB軍になっているらしい。
私たち学級委員会は審判のため不参加。
乱太郎くんの保健委員会は、治療のために不参加。

で、その旗の付近からスタートの合図で動き出す。
敵の陣地にある旗に触れるか、旗を奪って自陣に持ち帰れば勝利となって、いずれの場合も敵を倒した数は関係ない
たとえ自軍が全滅状態になろうが、自分が旗に触れるか旗を持ち帰れば勝利できる。
制限時間内にどちらのチームも条件を満たせない場合は引き分けとならしい。

今回は特別ルールで、ヒットした人は退場する事になっているんだよね。

制限時間は2時間。
残り時間は1時間26分。

さーて、さっさと終わらせよう。

「なぁ、庄左ヱ門…」
「なんですか、鉢屋先輩」
「今さ…東雲の目、据わっていなかったか…?」
「いましたね。色々とストレスが溜まってるみたいでしたし」
「うっ…庄ちゃん!冷静にこっちを見ないで…不可抗力だったんだ…」





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