ああ、天女様!

□3.疑念と可能性
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あの後、きり丸くん達は少しだけだけど天女様と話してみようって考えたようだ。

ま、風の噂で左右されるより自分の目と耳、感じること全てで確かめた方がいい。

くのたま長屋に帰ってくると、私の部屋に先輩達が集まってた。

部屋の仲は殺伐としていて、今にでも殺されるんじゃないかなって考えていると先輩が先に口を開いた。

「中在家くんを元に戻してくれて…ありがとう」

第一声がそれだったから、雰囲気が少しだけ柔らかくなった。

『私は、なにもしてませんよ』
「…でも、相手はそう思って無いみたいなのよ」

そう言って、先輩が取り出したのは…可愛らしい栞と、美味しそうな…ちょっとつまみ食いされているボーロだった。

「さっき、急に中在家くんと二年生の子がやって来てね…貴女にお礼の品だって…って、もう食べてるのね」
『ほろほーろおいひいれふー』
「ふふっ…せめて口だけでも閉じなさい。行儀が悪いわよ」
『ふぁーい』

中在家先輩の手作りボーロを頬張りながら、先輩の話を再び聞くことになった。

「中在家くんは元に戻ったけど、一緒にいた五年生は元に戻らなかったのよね…」
「何が違うのかしら…」

先輩達が考えていると…私は、あることを思い出した。

『先輩、先輩』
「どうしたの?」
『私、わかっちゃいました。不破先輩、私の事を初めから警戒していたんです』
「と言うと?」
『前、天女の部屋に忍び込んだ際に、気配がしたから逃げたって言いましたよね?あれ、知ってる気配がありました。』
「…不破くんって、事かしら?」

先輩ご明察。
流石、六年ともなると頭の回転が早くて助かる。

天女様の部屋に忍び込んだ際、知ってる気配があった。
その一つが不破先輩。迷い癖があるけど、それをとれば優秀な忍たまだ。
恐らく、私が天女様に会いに来たって知ったんだと思う。

「その時点で、ヒノエさんに警戒していたのね…」
『それと、くのたま自体に警戒してる様子でした』

これは、日頃から忍たまに意地悪をしていた付けだと思う。
実際、天女様が好きでない一年生達も私に少しだけ警戒していた。


「そう…天女に骨抜きにされても、一様忍たまとしていっちょ前に警戒心はあるのね。安心したわ」

先輩のトゲのあるお言葉。
流石。

『それと、もう一つ』
「何かしら?」

あ、これは私の勝手な予測だけだからな…宛にはならない…うーん。

天女様って、男の人が苦手なんだと思んだよね。

お、ボーロ完食。




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