ああ、天女様!

□7.知らずにいて
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「なっ…そんな必要、ありません。天女が出ていけば済む話です」
「…」

孫兵くんの答えに、顔を渋らせる数馬くん。
まぁ、当然の反応だね。
嫌ってる相手と話してみようなんて、飄々とした性格の持ち主は中々居ないだろう。

…と、いうよりも…さっきから孫兵くんの首に居るの、蛇かな?
かわいいなぁ〜。
トカゲも可愛いけど、蛇のきゅるんってした目も可愛い…って、集中っと。

『孫兵くんは、話す気もないかな?』
「必要ありません」
『そっか、孫兵くんは知らない相手と話してもいないのに、相手の事分かるんだ。すごいねー!周りの噂と先輩達の事に手一杯でそれ以上知りたくないって?それじゃあ忍者として…いや、忍たまとしてまだまだよー』

ニコリと笑いながらそう言うと、グッとして黙ってしまった。
ありゃ。
すると、蛇さんに睨まれた。
綺麗な目だなぁ。

『時に置いて…忍者の情報は命より重視される事があるって、忍たまの友に書いてなかったかな?』

笑いながら尋ねると孫兵くんは俯いてしまい、蛇さんに慰められてるみたいだった。

ちょっと言い過ぎたかなって、考えていると数馬くんが口を広いた。

「ヒノエ先輩は…いや、くのたまは…天女のこと、どう思うんですか」

そう言うと、真っ直ぐこちらを見てきた。
うん、この子は孫兵くんみたいにどうやら己の念は入っていないらしい。

『私自身の意見より、くのたまの意見…か…そうだねー…』

すこし、考えてみることにした。

空から落ちてきた天女様は、忍たま達を腑抜けにする。
いや、腑抜けなのは忍たまの心かな。
隙があるから何かを埋めようと必死になる。

…一番の謎は、先生たちがなにもしないとこ。

上級生が相手だから?
いや…いくら生徒が大切でも、それだけでは決定打にならない。

天女様が原因?
いや、食堂のおばちゃんはくのたまや忍たま達とは違っていつも通り、公平だった。

先生になにか考えがあるのか?

天女様、腑抜けの忍たま上級生、殺気に満ちたくのたま、それらに対して動かない先生達。

ぐるぐると考えを巡らせてみるが、未だにまともな答えがでない。

『そうだねー…私が思うに、くの一としては保留、かな』
「保留、ですか…」
『そう。仮に天女様が居なくなったとしても、先輩が元に戻るとは限らないし。天女様が居なくなったことで、先輩達の行動が今よりも悪化するかもしれない。現時点だと、天女様や周りに関する情報不足って感じかな。…あと、重視すべきは…って、二人ともどうしたの?』

保留である理由を説明していると、二人は目を点にしていた。
あれかな、くのたまとしてなら「天女様排除」に協力するとでも思ったのか。

「いえ…先程の拍子抜けな態度と打って変わってたので…」

失礼だな。





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