ああ、天女様!
□12.気付かぬ思い
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廊下では、忍たま達が部屋の中でヒノエと天女が話しているのを聞いている。
それと同時に、一部の忍たまが言い争っていた。
「綾部先輩、先生達も…なんで天女をヒノエ先輩の部屋に通したんですか!!」
久作はそう言いうと、綾部に突っ掛かる。
先生達はやれやれと肩をすくめ、綾部は気にすることなく、襖で閉められた部屋を見ていた。
「久作、落ち着けって」
「けど!」
左近に止められるも、頭に来ている様で止まる様子がなかった。
そして…
「なら、自分で確かめなよ」
綾部はそう言って、襖を開ける。
『皆、雨音さんは普通の人間なんだからー!警戒しないで大丈夫だよー』
天女と一緒に居るところを忍たま達が目を開いている中、ヒノエは寝転んだまま手招きをした。
先生達は「もう、大丈夫みたいね」と言い、解散した。
『先生ーもう帰っちゃうんですかー?』
大声でちぇーっとでも言いそうな彼女の態度に、思わず天女と何人かの忍たまが笑った。
「ヒノエさん、警戒心が微塵もないよね」
少し笑った後、綾部が部屋に入ると以前にヒノエに天女と話すように言われた下級生達が入っていった。
「…ヒノエ先輩、なんで…」
「…入ってみようよ」
しろ丸に連れられて来ていた藤内が、久作を部屋に進める。
「でも!」
「…僕も、確かめなきゃいけないことがあるから」
藤内の真剣な表情に思わず息を飲み、渋々部屋に入った。
『いらっしゃい、二人とも』
二人を待ってました!と言わんばかりに、にっこりと笑った彼女の顔は…怪我をしているのが嘘のように思えるほど明るかった。
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