ああ、天女様!

□5.思考と行動
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結局、綾部くんと鉢屋先輩は部屋を出て、私と障子越しに話すことに。

そして、質問された。

『仲間、ですかー?』
「そうだ、私達以外にも居るだろ…くのたまやら中在家先輩やら…」

何を勘違いしてるんだか。
私は天女様の首なんかに興味ありませんよー。
強いて言うなら、天女様の存在に興味があるんだから。

でも、そう言っても信じてもらえないんでしょうねぇ。

中在家先輩は委員会に戻っただけだし、くのたまは天女様を嫌ってるから近付かない。
特に後輩たち。

近付いたら六年と五年の先輩に睨まれちゃいますからねー。

『いませんよー!私は一人で天女様に近づいてるんですからー』
「……そうか」

うわー。あからさまに嫌な顔されたよ。
私、嘘ついてないのに。

そんなに忍たまにとって、くのたまは信用ないんですねー。


『あ、そうだ!鉢屋先輩と綾部くん…ご飯食べに行きましょー!』
「僕もお腹すいちゃいました」
「お前らな…」

マイペースにも程があるだろ!って突っ込まれたけど、すいちゃったものは仕方ない。
自然現象なんだから!

ちょっぴり不機嫌な鉢屋先輩が先頭をスタスタ歩いて、私と綾部くんが同じ早さで食堂まで歩いた。

『鉢屋先輩、早いねー。何食べようかなー』
「せっかちなだけだよ。僕はぁ…」

一緒に話していると、私達よりずうっと先に行った鉢屋先輩が美味しそうな朝食を持っていて「遅い」と言われた。
先輩が歩くの早すぎなんですよー。

注文をしようと、おばちゃんに頼もうとしたら…あ、天女様だ!
やったぁー!朝から美味しい味噌汁飲める!

『天女様ぁー!おはよーございますー』
「あ…ヒノエさん、おはよう」

挨拶すると朝からにへって笑った天女様頂きました。
うぇーい。天女様目的で先に食堂に居た先輩達に睨まれました。

挨拶くらいいいじゃないですか!!
男の嫉妬は可愛くないですー。

「…なんでアイツばかり…ッ!」

「…」
『あれ?綾部くん、頼まないんですかー?』
「ん、頼みます」




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