ああ、天女様!

□6.初歩と気持ち
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『ん…あれ?』

気が付くと、そこは薬品の臭いが鼻につく医務室だったわけで…どうやって移動したんだろう?

まぁ、通りで頭が痛いわけだ!
周りを見渡すと、一年生の頭巾を被った男の子達に囲まれていた。

わーお。早速、一番近そうな眼鏡の男の子に話しかけようとしたけど、寝起きの後は声が出ないもんなんだねー。

だから、裾を掴んだ。

「え?あ!よかった!気が付いて…」
「ヒノエ先輩、気がついたんすか!」

…なぜだか、きり丸くんが…いや、久作くんや怪士丸くん、さっきの犬に襲われかけてた子達も居るな。


『…ここ、医務室?』
「そうですよ。止血の途中で気を失って…覚えてないんですか?」

うーん…記憶なし。
多分、血が不足して倒れたんだねー…

『そっかー!迷惑かけちゃったねー。てか、キミたちよく運べたねー』
「あ、いや…運んだのは…」

つぶらな瞳をした男の子が、外に繋がる襖を見ると、そこにはよく知っている影が写っていた。

『中在家先ぱーい、ありがとうございますー』




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