ああ、天女様!

□8.信用してる
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「天女と話し合い…ねぇ…首桶と髪櫛なら向こうの戸棚にありますよ」
「あ、なんなら…ここに首板があります」

えーっと…兵太夫くんと伝七くんだっけなぁ…恐ろしいことをサラッと笑顔で言ったぞ。
この子達の将来、ある意味有望。

『いやいやぁ〜、天女様を晒し首にする為に来た訳じゃないからね』

こっちも笑顔で返したが、現場の空気は最悪。

いやぁ、作法委員会の場所が不味かったかなぁ〜。
ここは生首フィギアや首板、首桶だらけだから自然と恐ろしいことを連想させてしまう。

厄介だ。

二人とも「印を取る以外に解決方法ありますか?」って顔してるし。

「あの…ヒノエちゃん、兵太夫、伝七…一端落ち着こう」

すると、とーないちゃんがこの場の空気を裂いてくれた。

とーないちゃんかっこいー。

「浦風先輩、先輩はくのたまを信用するんですか」
「だから、話を…」
「僕はくのたまを信用できません」
『とーないちゃん、この子が話を聞いてくれない』

今にでも私に殴りかかりそうな一年生。
それもそうか。
嫌ってる相手と「話し合いましょ」なんて言ったら嫌に決まってる。

てか、今年の一年生物騒だな!
天女様排除側多すぎ。

なにより、くのたまを信用しなさすぎ…今年の二年生達、どれだけ酷いことをしたの。

『くのたまは信用しなくていいよ。代わりに、私を信用して欲しいなー』

笑顔で言ったら鼻で笑われた。
ちくしょー。サラスト先輩と同じ反応しやがって。

「信用出来ません」
『あはは。キミ達はそれしか言えないの?信用しようともしないで、否定するばかり。それじゃ、いつまでも状況は変わらないよ。経験も知識もまだまだ未熟なキミ達が、他の人を信用しないなんて、傲慢。そんな子達が忍たまなんて、最高に笑える話だね』

そう言うと、一年生の二人が固まった。
当たり前。

この子たちは忍たまだよ?
忍者の世界は厳しい。
なにより、信頼は仕事において大切。
けど、否定のしすぎはいずれ自身を孤独にする。

フリー忍者の利吉さんだって、依頼主からは信用を、そして自身は家族を信頼してるでしょ?




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