忍具ノ里

□暖めてほしい
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夜10時頃


テンテンはネジの部屋にいた。



ここ最近テンテンは日向家に寝泊まりしている。ネジは明日の任務の準備をしていた。



「ネジー、クナイ忘れないでよ」


「俺が忘れ物すると思うか?」


「うん」


「おまっ………。俺はお前とは違うからな」


「わ、私は口寄せできるもん!」




他愛ない会話をしながら夜が更けていく。


「んーネジのせいでなんか眠くなってきちゃった〜」


「なんで俺のせいなんだ」


「お布団〜お布団〜」



今は真冬真っ盛り。

小走りしながらテンテンはネジのベッドに潜り込んだ。


しかしーー……
 


「さむっ!!!」


「おいおい」


布団やシーツがひんやり冷たい。

残念だがこの寒さで休めない。


「ネジ寒い……」


「じきに暖かくなる」


「ネジと寝たら暖かいだろうなー」


「俺はまだ明日の準備が残ってる」


「日向ネジくーん」
 

「早く寝ろ」


「………来てくれないの?」



ピクッ……。



テンテンはベットの中で縮こまりながら上目遣いでネジを見る。

頬を少し赤く染めた愛しの彼女にそんな言葉言われて逆らえる男はいない。


「……わかった」



ネジは作業を止め、髪をほどいて布団に入る。

ネジが髪をほどくのは寝る前の癖だ。おそらくこの事を知ってるのはテンテンしかいない、いや私だけでいてほしいと密かに思う。




髪を下ろしたネジはとても色っぽい。男のくせにサラサラな髪からはテンテンと同じシャンプーの匂いがした。

「なんかごめんね……。準備残ってるんでしょ?」


「別に明日の朝やればいい」



ネジの優しさを感じながら、テンテンは彼に向かって微笑んだ。

そして彼の頬に小さなキスをする。


「な……っ」


「えへへ」
 

可愛く照れたテンテンを見ながらネジも彼女に口づけていく。


「ん………ぅ」



テンテンの瞳が微かに潤んでいく。
長い口づけに彼女は少し苦しそうだ。



「寒いんだろ?」


「……ちょっとだけ」


「暖めてやる」



そして再び今度は激しく口づける。


柔らかくて甘く溶けそうなテンテンの唇を堪能し、角度を変えて何度もその柔らかさを味わった。



「ん……っ…ぁ」


「まだ寒いだろ」


「そ、そん……なっん……」


ネジはテンテンの唇を軽く噛み口を開かせた。すかさずネジは舌を入れ口づけを深いものにしていく。
 

「…んぅ………っ」


熱い二人の口づけは長く長く続いていく。




ようやくネジが唇を離すと、テンテンは真っ赤になりながら肩で息をしていた。


ネジはくつくつと喉で笑い、真っ赤にしてこちらを睨むテンテンの耳元に口を寄せた。



「まだ寒いか?」


「もう十分暖かいわよ!」


「俺はまだ寒いけどな」


「ち、ちょっとネジぃー!!」






次の日腰が痛くてテンテンにネジがこっぴどく怒られたのはまた別の話。





終わり
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