忍具ノ里
□親バカネジさん
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「ーーーで?」
ネジが重い口を開く。
「何しに来た」
ここは日向家の屋敷。
広い大設間でネジ、テンテン。
そして最愛の娘ヒカリにーーー
…もう一人。
「む、娘さんとのお付き合いを認めてください……!」
「「……」」
二人はその言葉に驚きもせず、むしろあぁやっぱりと呆れてた。
相手を見ると緊張のせいかブルブル震えている。
震えるのも無理はない。
今話しているのは木の葉でも最強と讃えられる日向の上忍とその妻なのだから。
ヒカリは二人の娘だが、二人の忍の才を受け継いでメキメキと強くなっていってる。おまけに顔も二人の遺伝子を上手く継いでとても美少女。
そんな可愛いくノ一を他の男が放っておくわけがなかった。
しかし彼女と来たら男に全く興味ない。頭の中は任務と修行の事ばかりだった。
ヒカリに相手にしてもらえない男共はなんとか望みの薄い告白を取り入ってもらうため、日向家に押し掛けていた。今日の男で何人目だろうか。
「この人がしつこいから、お父さんに勝負して勝ったら付き合ってるあげるって言ったの」
「……ヒカリ、そういうことは軽く返事しちゃダメよ」
「日向ネジさん!どうか俺とお手合わせ願います……!!!!」
男は土下座してネジに頼み込む。
「………」
暫く黙って考え込んでいたネジはすっと立ち上がり襖に向かって歩き始めた。
「………ついてこい」
「お、おす!!!!」
ーーーー
ーー
「あら早かったわね」
「ああ」
勝負はすぐについた。
ネジが一睨みすると男は逃げるように帰っていったという。
「お父さんありがとう!」
「…お前も自分の不始末は自分で片付けろ」
「だってー!お父さんが負けるわけないもん」
「………」
「じゃあ修行してきまーす!」
「帰り遅くならないようにねー!」
「はーい」
「相変わらず手加減無しねーネジ」
「アイツを変な男にはやれんからな」
「それもそうね♪」
ネジの親バカが治らない限り、ヒカリに春が来るのはもっと先になりそうだ……。
終わり