ぶっく

□俺だけの
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「…純」
「き、今日はやんねぇって言っただろ…っ」

『勉強会』ということで、3年生みんなで晢の家へやってきた。
夕方になって、他のメンツが寮に帰っていく中、俺は晢の家に残った。

どうしても分からない所があって、晢に教えてもらおうと思ったからだ。

しかし、今日は両親と将司が居ないという所で察していれば良かったんだ。
欲情した晢の目を見て、俺は逃げられなくなってしまった。

壁際に追い込まれて、それが今の状態である。
ここが晢の家で、すっかり獣の表情のこいつから俺が逃げられる筈が無いのだ。

『いやだ』と口で言っておきながら、俺は何処かで期待していたのかもしれない。
全力で嫌がることが出来ないのが全てを物語っている。

「…じゅん」

先程より幾分寂しそうな声で俺の名前を呼ぶ。
あと、分かりにくいが少し眉が下がっている。

「分かったよ、優しくしろよ?」
「ああ、任せろ」

根負けした、と大袈裟にため息を吐いて言う。
晢は途端に明るい調子に戻って笑った。

する、と服の中に手が入ってくる。
ゴツゴツと俺よりも男らしい手が身体中を弄る。

空いた左手が太ももを滑ると、堪らずゾクゾクと身体が震えた。
互いに目を合わせて、黙り込む。

聞こえるのは気持ちの悪い自分の上擦った声と、荒い吐息。
堪えようと唇を噛もうとすれば、晢の唇で遮られる。

「っ、ん…」

厭らしい水音と、クラクラする程に気持ちの良いキスが頭を真っ白にさせる。
じわ、と熱が上がっていくのが分かる。

それは晢も同じようで、ちゅ、という音と共に離れた晢の顔が朱を帯びている。
その顔に手を添えれば、不思議そうな顔をされた。

「何か付いているのか?」
「いや…綺麗だな、と」

素直に感想を述べれば、困ったような顔をされた。

「俺よりも純の方が綺麗だぞ」
「ーーっ! ほんと、恥ずかしい奴だな晢…」

毎回そういう事を平気な顔をして言うから、こちらの心臓は持たない。

晢の指が胸へと伸ばされ、飾りを押される。
晢の所為で敏感になってしまったソコは、それだけの刺激で反応してしまう。

「あっ…!」

耳にキスを落としながら、器用にズボンを下ろしていく。
パンツの上から既に熱を持ちはじめた隠茎を愛撫される。

弄る手は少し荒っぽかった。
それだけ晢に余裕が無いのだろう、それが少しだけ嬉しかった。

「…ぁん、ん!」

ぼんやりと考えていたらいつの間にかパンツも脱がされ、直に陰茎を愛撫されていた。
はっきりと伝わってくる快感に身をよじる。

「…何を考えていたんだ?」

むう、と眉をひそめられる。
そんな様子を見て俺は顔がにやけそうになった。

「心配すんなよ、晢の…っん、事だよ」

「他の奴の事なんて考えちゃいねえよ」と言えば誤解は解けたようで、晢は微笑した。
こういう事を言われると、晢も嫉妬するんだなあ…と思う。

「少し足を開いてくれ」
「…ん」

そう言って手にローションを馴染ませている。
俺が素直に足を少し開くと、間に割って入るように体制を直す。

求めてヒクつくソコに晢の指が侵入していく。
異物感と、違和感と、それより強くなる快感。
良いところを探して弄る指が愛おしくて堪らない。

「っ! ぁ…、ん」
「ここか」

指を増やして、良いところを責める。
前を触られる時とは少しだけ違う気持ち良さに身体が麻痺したみたいに震える。

「晢ぅ…ぁ、も、もうっ…!」
「ああ、俺も限界だ」

指が離れていくのとほぼ同時に晢のモノが入ってくる。
いきなりだったのと、何時も以上の質量を感じてきゅっと喉の奥がつまる。

「あ…あっ、んう…っ!」
「悪い、余裕がない…」

耳元でそう囁かれ、一気に目の前が真っ白になって、チカチカしだす。
晢の息遣いと声しか聞こえてこない。

「あ、ぅ… あ''っ…んんっ!」
「…っ!」

何時もより早かったからか、お互いすぐに欲を吐き出した。
火照る身体と、息を整えようとする。

「大丈夫か、純」
「おう…」

前髪を掻き分けられ、おでこにキスをされる。
そのままゆっくりと抱きしめてきた晢を、抱きしめ返す。

「…おやすみ」
「おやすみ…純」







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(俺だけの目線)
その顔も声も目も、俺のもの




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