『みえるひと』エージ受け小説
□Form de amour
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2月12日。
先ほどから壁にかけられたカレンダーの一点を睨みつけるエージ。
「あと2日………。」
『Form de amour』
「(あと2日でバレンタインデー……。明神にチョコあげたいけど、男があげるなんて変だし、そもそも作ったことないし、う〜ん………どうしよ?)」
あれこれと頭の中で葛藤が続く。
ブツブツと小言を言っているのエージを怪しげにツキタケが見ている。
「…………なんだよ?」
ツキタケの視線に気づき不機嫌そうにツキタケを見る。
「ん〜?お悩みかなぁ〜って。」
「///バッ、誰が明神にチョコやるなんて………。」
「十分悩んでんじゃねぇか。」
「うるせぇ!」
図星を突かれてこれ以上言い返すことができない。
だが、よく考えてみるとツキタケも渡す相手はいるのではないかと思いつく。
「………お前はさ、誰かにあげるのか?」
「何を?」
「チョコ。」
別に、と言いエージの質問を軽く流す。
納得いかず何度問いつめても流されるだけで、あきらめて部屋を後にした。