金木犀

□恋恋の情
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無音の世界で
貴女の唇の動きを
見つめていた


オレンジ色の優しい光の下


両頬を包み

力を

口から注いで
微笑んだ



貴女の歩く先の
道端の花になりたいと
願いながら

貴女の歩く前に
泣きながら立ちはだかりそうで




怖かったんだ





温もりは確かに此処にあって

しがみつきながら
小さな丸になって




貴女は云う


『私が苦しいのはあなたが苦しむ事』




僕は微笑う





貴女の笑顔を絶やさぬように


.
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