金木犀

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其の花が咲く頃
私の亡骸は
天を仰ぎ
涙を零して
また
命が吹き込まれるのでしょう

指から空気が輪になり
骨から毒が
口々に唾を吐き

酔うように

なぞるように

瞳を開ける


風は
同じ匂いを乗せて

頬を切る


包まれた大きな手を



消せぬ侭


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