マジすか学園〜マジ女壊滅計画〜

□開幕
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「学校祭?そうか、そういえばそんな季節だな。」

部室の窓から吹く、秋らしい風を受けながら私は言った。

「で、何でそれをわざわざ言うんだ、ネズミ?模擬店出そうなんて。そんなキャラでもないだろ?」

「そりゃあ、あっしだって今までは別にどうでもよかった。しかし、センター、お前は今はラッパッパの頂点だ。いくら遊びとはいえ、企画でも頂点に立っていないとテッペンの名が傷つく。」

「出さなくてもいいだろう。そうたくさんの生徒が参加する行事ではあるまい。去年だって、出ていたのはチームホルモンとチーズフォンデュ、それにアンダーくらいだろ?」

「ああ、確かに。だが、今回は…その、何て言えばいいか…。お前がいてくれないと少々面倒な事になるかもしれない。」

そう言うと、ネズミは懐から1枚の写真を取り出した。そこに移っていたのは、前田だった。しかも、その両手は縛られているように見える。

ネズミは、その写真が今日、校門付近に数枚ばらまかれていたと言った。しかも、前田をよく見ると、相当殴られているような痕がある。その写真を見つめている私にさらにネズミは続ける。

「誰かは分からねぇが、あの前田をここまでぼろぼろに倒せる喧嘩できるやつなんてそうはいるもんじゃねぇ。あっしが今まで見てきた中でもサドさんとゲキカラさんくらいしかな。」

「今から二代前のラッパッパの副部長と四天王の一人か。だが、その二人だって今は卒業して、それぞれの道に進んでいるんだろ?」

「ああ、その通り。」

ネズミは壁にかかっている写真に目をやる。

「マジ女史上最強と言われていた優子さんが率いるラッパッパの時代…。その時にここに転校し、そのテッペンの座を譲り受けた前田…。」

写真の隣にさらに大きく壁にかけられている肖像画に目をやるネズミ。

「優子さんも不治の病なんかにかからなかったら、お互いにもっとマジをぶつけて語らえていたろうにな。」

優子さんと前田。

二人は結局顔は合わせるものの、最後まで闘うことはなかった。優子さんの体は卒業式に出るのもやっとな位に弱り、その頂点の座を卒業式に確かなマジを持った前田に譲り、卒業式のあとしばらくして死亡した。
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