マジすか学園〜マジ女壊滅計画〜
□寒ブリの一夜
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-センターside-
前田に続く、シブヤの敗北まで、写真で校内中にばらまかれ、マジ女はいよいよ大騒ぎになっていた。しかし、私は未だに新四天王すら決められていなかった。
ネズミがシブヤの所へ行ってしまっているので、今、部室には1人しかいない。帰ってくるまでに、新四天王の候補を絞れと言われたものの、全員弱そうに見える。
目の前にはネズミがまとめた候補者のデータが簡単に並んでいる。軽く目を通すだけでも充分そいつのマジ女での立ち位置、ケンカの強さ等が1発で分かる。最初からこれを見せてくれればよいものを…。
しかし、どれだけ見ても全然絞れない。そもそも、ネズミ以外とはあまり関わりを持たなかったせいもあり、こうやって、人を計るって行動がどうも苦手なのだ。まだまだ、視野が狭いってことだろう。ネズミ以外でまともに話せるのなんて、同じクラスだったチーズフォンデュくらいだ。
「あー!分からない!」
そう言って頭をかきながら、立ち上がり部室をぐるぐると回ってみる。
そんなことをしていたら、門番をさせていた、チーズフォンデュ達が騒ぎ始めた。そして、思いっきりドアが蹴破られる。
ガシャンという音を立てて、ドアが地面に落下する。少し1年前の自分と重なる気がして微笑する。
「あんたが、マジ女のてっぺん?」
「おいおい、いきなり暴れておいて自分が名乗らないとは何事だよ。お前、名前は?」
「……。」
「名乗る必要なしってか。偉くなめられたもんだ。」
その時、寒ブリが入ってくる。
「こら!てめぇ、ほどほどにって言っただろうが!」
「だから、ほどほどにドアを壊した。」
「お前、バカか?それじゃあ、どう見てもてっぺんを落としにきたやつだろうが!」
そして、その他の奴もぞろぞろとついてきた。
「おい、全然ダメじゃねーか!」
「私らの話、完全に無視してただろ!」
「私たちはセンターの力になれって言ったんであって、やつを倒せとは言ってないぞ!」
「話がややこしくなるでしょ!」
目の前で何やら騒いでいる彼らを見て私が思ったのは1つ。
「うるっさーい!」
1つ叫ぶと、その場にいた全員が静まりかえる。
「おい、お前ら。これはどういう事か、しっかりと説明してもらおうか?」
すると、チーズフォンデュは互いに肩を押し合い、最終的に寒ブリが前に出てきた。
「いやー、これには事情がありまして。」
「事情?」
そして、寒ブリはある話を始めた。