短編夢小説 @

□兄さんのおねだり
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「ここが真島組かぁ……」

私は、ミレニアムタワーに事務所を構える真島組の前にいた。
「真島さん、手作りのお弁当、食べてくれるかな……」
私が胸を膨らませながらインターホンを押すと、長身で強面の組員さんが出てきた。

「あ、あの、青山といいますが、真島さんに用があるんですが……」
「はぁ?」とだけ言うと、組員さんは怪訝な顔で中へ消えていった。

(え?会わせてもらえないの?)
私は、弁当箱を握り締めて、閉められたドアをじっと見つめた。腕時計を見ると、十分経っている。突然ドアが開いた。目を丸くした真島さんが現れた。

「美香ちゃん、どないしたんや!?」
「あ、あのね、お弁当を作ってきたんだけど……要らないよね」
私は、慌てて弁当箱を後ろに隠した。真島さんは、その弁当箱を覗き込み、ニヤニヤと笑い出した。
「そりゃごっつ嬉しいのぉ。ほな、美香ちゃん。アイツらの前で食わせてくれや!」

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