暗部〜main〜

□はじまりの夜
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暗い階段を駆け下りていく。
焦りばかりが募る。
長い階段がようやく終わり、扉を勢いよく開けた。

その部屋だけ何故か異様に寒い。
そして一面に霜がかかっていた。
部屋に足を踏み入れると、バリッと凍った音がした。

(これは‥氷遁か?)

カカシが考えていると仲間の暗部たちが到着した。

「どうなっている!?」

その問いかけには答えず、カカシは無言で周囲を観察した。
霜が晴れてきた。

「これは‥!」

部屋の至る所に巨大な氷柱のような物が生えていた。
カカシの足元には一人の女性と小さな子どもが血を流して倒れていた。
どちらも息はなさそうだった。
そしてその奥に、人が氷柱に貫かれて項垂れていることに気付いた瞬間、別の誰かの気配を感じた。

「!!!」

暗部たちが一斉に身構える。
そこには幼い少年が俯いて座っていた。俯いているので表情はよくわからない。
カカシはその少年に慎重に近付き、顔を覗き込んだ。

「!?」

少年を見て驚愕した。
その少年は、右目に写輪眼を宿していた。
しかし、カカシのことは目にも入っていないようで、ただただ放心している様だった。

「おい!!!」

カカシが肩を揺すると少年の目はゆっくりと動き、カカシを捉えた。が、目が合った瞬間、少年は気を失って倒れてしまった。カカシは咄嗟に少年を受け止めた。

後ろでは暗部たちが本部と連絡を取り、後処理を始めようとしていた。

「くそ‥!!」

カカシは奥歯を噛み締め呟いた。

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