ONE PIECE

□本編[2]
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チンピラ事件後、力を使ったり走ったりして腹が減った俺達。……俺だけ?

しっかりと繋がれた手も、人込みでは心強かった。マルコが俺に合わせて歩いてくれたりして、もうほんと、マルコ様々って感じで。


で、腹が減った俺は我慢してたわけだ。
食べに行きたいって。


そしたら、正直な俺の腹は俺の意志を裏切って鳴って、マルコは笑ったんだ。





さっきみたいな変な顔よりは笑ってたほうが良いとは思うが、なにも吹き出さなくてもいいじゃないか。





レストランで、米が食べたかった俺はもう開き直ってオムライスを食べた。

マルコはハンバーグセットで、俺がピンと閃き、

「トウモロコシって好き?」

って聞いたら

ピクリと反応したマルコはトウモロコシをすくって



「ムグッ……!」

口に突っ込まれた。

何故だ、考えがバレたか!?


トウモロコシの甘さは嫌いじゃない。
トウモロコシは世界三大主食の一つだ。

元の世界は、だけど。



「……何すんのさ」

ジトリとした視線を送るも、

「食べたかったんだろい?」

とシレッとしていた。




ムゥ……。















「――マルちゃん、マルちゃん」

「……」

オムライスを一口スプーンですくって
差し出す。


「あーん」

微妙な顔してるが、知らん。

お互い様だろ?















「ちょ……っ」

パクりとスプーンをマルコが銜(クワ)え。

視線は俺を見つめて、差し出す手の上から包むようにマルコの手を重ねられ。


スプーンがマルコの唇から抜けるのをじっと見るとか、ナニコレ。


握られた、スプーン持つ手を俺はどうしたらいいわけ?


完全に顔をはなしたマルコは手を放してくれて



もぐもぐと咀嚼(ソシャク)するマルコを俺は見れなかった。


けど、嚥下(エンカ)の音が、マルコの喉を脳裏に浮かび上がらせ、俺はますます困った。





目も合わせないまま早々(ハヤバヤ)とオムライスを完食した俺。

間接キッスとか…



――考えて反応した奴が負け!















代金を払おうとして一悶着(ヒトモンチャク)あったが軽くあしらわれた。























「――――で? トウモロコシがどうしたって?」

「鳥はだいたいすき、」




















俺がどうされたかは察してくれ。


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