短編

□Special illusion
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ヴァリアーのアジトの一室。

生活に必要な物以外は特に何もない部屋。

いつもはアイツがいるから平気なのに、いないと思いきりつまらない部屋だ。


『ったく…早く出世して稼いでTVでも買えばいいのに』


と言っても私もぺーぺーの新米。部屋に対して娯楽品なんてない。

TVが見たいときには大抵ベル先輩かスク隊長のとこに行く。



「安月給なヴァリアーが行けないんですよー…幹部になったってのに全然給料上がんないんですからー」


ガチャリとドアが開いて、この部屋の主が帰ってきた。


休日だからと相変わらずラフな格好に大きな蛙の被り物。


「何の用ですかー」

『用がなかったら来ちゃいけない?』


ギシッとシングルのベッドに腰掛けて、暇とだけ伝えた。


「だったらロン毛隊長とか堕王子のとこ行けばいいんじゃないですかー」


なんだか拗ねてるようにも聞こえる。

無表情なのが分かりにくいとこなんだよな





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