短編

□ツナ誕生日記念2016 分かりづらいボス
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『ツナさんなんだか最近、いつにも増して多忙そうですね』

山「あぁ、そりゃ「狽ィまっ知らねえのか!!今晩10代目の誕生日パーティーだぞ!?」


興奮しきったご様子の獄寺さんの鼻息がかかった気がした。

そういえば、先週に今月の予定を確認した時に、パーティーがあるなんて言われたけれど誕生日なんて言われた覚えはない。


『まあ…鬼だろうと悪魔だろうと魔王だろうと、人の子ですね』「生意気な口叩いてる暇あんなら社交ダンスの一つや二つできるようになったんだろうなあ?(黒笑)」


………出た。


『た、誕生日ならそうと言ってくれたら「イタリア語流暢になんのか?」……スミマセン』

「分かったら単語帳でも開いとけ。京子、こいつに化粧頼んだぞ」

『え゛』

京「空良ちゃんはツナくんの婚約者だもんねっ今回も大人っぽく仕上げるよ!」

『婚約者“役”ですよ、それにどうせ大人っぽいのなんて似合わなくてツナさんに馬鹿にされます』

「だからってお前のナリに合せて“ボンゴレ10代目、フィアンセは未成年”なんて記事にされたらたまるか。こっちには大人の体裁ってもんがあんだよ」

『…わかってますよっ』





ーーーーーーー
ーーーーー

京「私は似合わなくもないと思うけどなあ」

『…いっそ私が未成年だってバレてツナさんの体裁なんてボロボロに崩れ落ちればいいのに』

京「…イタリアは18歳で成人なんだけどね?多分ツナくん、照れてそんな事言ってるんだよ。目瞑って」

『百万歩譲ってそうだとしたら相当わかりづらいですよ』

京「まぁ、誕生日だし許してあげて。ちょっと上向いてねー」

『……京子さんの方がツナさんと相性いいと思います』

京「ん、出来た!やっぱり濃くなっちゃうけど許して…」

『いえ、童顔なのがいけないんで。ありがとうございます』


軽く質問はかわされた。
扉の向こうからツナさんが急かす。


『今行きます!』


急いで立ち上がり、アクセサリーとクラッチを持って扉を開けると、慣れないヒールで躓いた。


『あっ…』

「っ…と」


まさかツナさんが支えてくれるなんて槍でも降るんじゃない?


「ゆっくり歩けよ、馬鹿」

『誰ですか、急かしたのは』

「つーかまた無理に化粧して…」

『誰ですか、人をガキとかいうのは』

「ほら、」


突然差し出された手。


『なんですか、プレゼントなんて用意してませんよ?』

「やっぱガキ…」


右手を掴まれて、歩いて行くツナさんに合わせて歩く。


「転ぶなよ」

『…はい』


優しい声と供に気づいたのは、私の歩幅にツナさんが、あのツナさんが合わせてくれているってこと。


『…お誕生日おめでとうございます』


何となくそのツナさんの気遣いが恥ずかしくて、そういえばまだ言ってなかったことを言ってみた。


「…あぁ、さんきゅー」







(キャラ崩壊ですか)
(しばくぞ)




fin.
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