短編
□温もり
4ページ/6ページ
『綱吉っ…』
左手には赤く染まった婚約指輪。ボンゴレボスの証であるボンゴレ大空のリング。
「生き、ろ…」
私の考えていることがすぐにわかった綱吉に、死ぬことを止められた。
貴方のいない世で私はどう生きればいいの?
これで最後だと綱吉の胸に顔を埋めると、抱きしめてくれた。
「泣くなよ、…」
『っ泣いてない…』
「…ご、めん、愛してる…」
顔をあげると、息を引き取った綱吉。
後を追おうとしたけれど、綱吉のさっきの言葉が邪魔をした。
『だったらこんなことで死ぬなっ馬鹿…っ』
くちづけは冷たかった。
.