短編
□まだ君は見てくれない
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『ねえねえ、どうしたら振り向いてくれるかな?』
俺は最初から空良しか見てねえのに。
「んー、カカシ先生はモテるけど女っ気ねえかんなあ…」
『うー…化粧とか…してみようかな…』
そのままでいいのに…そのままがいいのに
「そんなの必要ねえってばよ!」
『…だってカカシ先生にとっちゃ私なんて子供だから相手にされないんでしょ』
空良の気持ちを汲んでやれねえろくでなし上忍に腹が立つけど、逆に二人が付き合いだして喜べるかっつったらんなわけはねえ。
アカデミーのときからずっとずっと好きなのに。
やっと俺が自分の気もちに気づいたころには空良は違う奴を見ていて。
「…遅えんだよな」
ふっと漏れた独り言にはっとしたけど、ろくでなしを振り向かせるのに必死な空良には全然気づかれてなかった。
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