短編
□諦めんなよ!
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ナ「やっぱ一楽のラーメンは最高だってばよ!」
サクラに断られたショックから早くも立ち上がって、美味しそうにラーメンをすする。
サクラと来てたらもっと違う顔するのかな?
ちらとナルトの方を見ると、右手首に傷が見えた。
『ナルト、ちょっと腕見せて』
ナ「は?えっ…ちょ!」
半ば強引に腕をまくると、赤黒い傷が肘まで伸びていた。
『…任務?』
ナ「昨日ばあちゃんが久しぶりにAランク任務くれてよお!ちょっと怪我したけどこんなんかすり傷だってばよ、もう一晩寝りゃ治るって」
ナルトはもうそんなレベルまで達していた。
私に与えられる任務は危険性のないものばかり。
危険性が高ければ高いほど良い任務とか、任務に優劣を付けているつもりはなかったけど、同期の皆はどんどん前を歩いて行く。
気付かない内に、ナルトはもう私からは遠くて見えない存在だった。
『……馬鹿だなぁ、油断したんでしょ』
私は火影様から期待されていない。
頼られていない。
劣等生。
何もできない。
込み上げてくる全部を抑えて、自然に振る舞うのは苦痛。
『死んじゃったら私が火影になっちゃうからね』
ナ「死なねえってばよ!火影は俺がなる!!」
そのころに私がどうなってるかなんて想像できなかった。
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