短編
□師も走るほど忙しい
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『ジングルベールっジングルベールっすっずっが〜「鳴らねえようるせえよ」
…はい。いつものように冷淡なツナさんによって私の美声()は遮られました。
『いいじゃないですか、今日は私機嫌がいいんですっ』
「大方何か買ってもらったんだろ、親とかに。そろそろクリスマスだからな」
『ち、違いますよ!!私だってこれでも社会人ですから?親に買ってもらったりなんてないですよ!』
「…じゃ誰だよ」
『…ふふふっ』
「読心術使うぞ」
『聞いて驚かないでくださいね!リボーンさんですよ!!』
目を丸くして、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしているツナさん。
実は、今朝リボーンさんにクリスマスプレゼントを貰ったのだ。
「…何貰ったんだ?」
『腕時計です。珍しく干渉してくるじゃないですか…』
腕に付けている時計を、ツナさんに見えやすいように腕をまくって見せた。
「お前時計なんて要らねえだろ。捨てろ」
『何言ってるんですか、贈り物ですよ?お返しは何がいいですかね』
「…はぁ…時計プレゼントされる意味分かってねえだろクソ鈍女」
『なんですか?教えてくださいよ』
「嫌だね」
『…まあ何にしろ、クリスマスプレゼントをくれるリボーンさんとくれないツナさんは比べ物になりませんね』
「俺は忙しいの」
ツナさんの予定表は近頃クリスマスを口実にパーティーが多くて、私も散々巻き込まれている。美味しいご飯が食べられるから嬉しかったりもする。
今日は一日中執務のようだけれど。
『ツナさん私に対する感謝足りないですよ、婚約者“役”担ってますし、ツナさんのお世話してるの誰だと思ってんですか』
「日本じゃ12月は師走って言うだろ?俺は師とかよりハイスペックだから走るどころじゃねーの。ジェット機でぶっ飛ばさねえと仕事片付かねーから」
『自慢が鼻につきます』
クソボス(ここで読心術使われたら死ぬ)には期待しないでおこう。
リボーンさん何が欲しいかな。
「その時計グ●チだから壊すなよ」『ふぁあ!!!??!?』
グッ●!!??!
『おおおおおお返ししてきます』
「あ?贈り物だろ?(黒笑)」
『無理です!!私には早いです!!!(泣)』
「じゃあそれリボーンに返して俺とフィレンツェ行こうぜ」
『はい!!』
え?
『…え?』
「よーしじゃあ早速車出すか」
『ちょま…っ!?ツナさんサボりたいだけですよね?!』
「俺からプレゼントだ、何でも欲しいもん行きたいとこ言ってみろ」
『えっと…、じゃなくて!!!』
さっきまでジェット機とかなんとか言ってたのどこ行ったよおい!!!
(早くしろー)
(私をサボりの口実にしないで下さいね!)
((鈍感))
fin.