07/21の日記

23:31
小夜左文字と柿の話
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・連載中設定でもそうでなくても読めます。
・ほぼ会話のみ。
・小夜ちゃん可愛い。
・副題:小夜左文字は柿がお好き


















「ねぇ。」

「ん?
どうした?」

「お願い、がある…」

「珍しいな、小夜がお願いなんて。
良いよ、言ってごらん。
聞いてみなきゃ応えられるか分かんないから。」

「ん。
柿……食べたい。」

「柿?」

「…うん。
他の短刀と話してて、皆食べた事ないって。」

「あぁ、そういや柿はまだ出した事ないな。
時期じゃないし。」

「無理…?」

「うーん……ちょっと待っててよ。」



パタパタと別室に行ったかと思うと、彼女はほんの数分で戻ってきた。

まさか柿を取りに行った訳はないし、何をしてきたんだろう?



「何、してたの?」

「ちょっとお使い。
さ、もう届くから玄関に行くぞ。」

「??」



訳の分からないまま彼女の後を付いて行く。

玄関の軒下のぽすと、と彼女が呼ぶ受け取り箱に何か包みが入っていた。



「さすが速達。
小夜、開けてごらん。」

「僕が?」

「そ。
今はそれで我慢してね。」

「……………干し柿。」

「うん。
干してない、普通のやつは季節になったらね。
やっぱ旬のが一番美味しいし。」

「………」

「気に入らなかったか?」

「ううん。
……わざわざありがとう。」

「構わん。
可愛いうちのコが滅多にしないおねだりをしたんだ。
これくらい叶えられんでは器が知れる。」

「あの、これ持って行って良い?
それと…貴女も、一緒に。」

「ありがと。
後で兄さん達にも持って行ってあげなさい。
その分だけ避けて置いてな。」

「…!うん!」








「干し柿、美味しかったね…」

「だな。
上手くいくかは分からんが、うちでも作ってみようか?」

「出来るの…!?」

「あぁ。
まずは柿の木を植えないとな。」

「!
じゃあ干し柿用に全部食べないようにしないと。」

「普通に食べる用と干し柿用の柿は違う種類だよ。
干し柿にするのは渋柿。
普通のやつは元々甘いんだよ。」

「そうなの…?」

「うん。
じゃあ2本植えようね。
甘いのと渋柿。
干し柿を作る時は手伝ってね。
きっと一人だと大変だから。」

「もちろんだよ。
出来たら……また今日みたいに、一緒に食べよう?」

「良いね。
また楽しみが増えた。」







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