自転車BOOK
□東堂の願望
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少し暗くなった道を歩く2人。
その道を楽しんでいるかのように歩く東堂に荒北は少し疑問を感じた。
「なぁ、なんで今日、そんなにお前、楽しそうなわけェ?」
そう言われ、東堂はハッと気付いたかのように荒北のほうを見る。
「そ、そんなに楽しそうだったのか俺…」
「けっこうな。」
「そ、そうか、まぁ荒北は外の空気を堪能するがいい!」
その言葉を言われ、荒北はまたため息をつく。
「ンだよ…そんなことかよ…」
「む?何か言ったか?あと、またため息をしたな!ため息をすると幸せが逃げてしまうという迷信を聞いたぞ!」
「え、迷信って言っちゃうノ。」
「それはそうと、コンビニ!見えてきたぞ!ほら早く!!」
そんなお前に俺、疲れてんだけどォ…
とは言えず、荒北も東堂の後を続く。
そういえば、なんでこいつ、こんなにコンビニにいくの楽しそうなんだ?
何を買うのかを聞いていない荒北にとっては東堂のその無邪気さが不思議で仕方がなかった。