自転車BOOK

□俺の好きな人は
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え───


靖友が?


あの靖友が?


え?あの、え?


「まぁそう戸惑うのも無理ねぇな。


でもお前が男のことを好きだって聞いた瞬間ちょっと驚いちまってよ」


確かに俺も男を好きっていういわく付きだけど……


俺もおどろいちまったよ……


「だから、おめーならいいかなって……」


あ、これって……もしかして……


「……そのこと、寿一にも誰にもいってないのか?」


「バッ……!言えるわけねぇだろ、んなことォ!!


だから、その、まぁ、お互い言わないっつーことで…」


「もちろん言わねぇよ!!!言うわけ無いだろ!!!」


「な、なんでそんな嬉しそうなんだヨ……」


だって二人だけの秘密だぜ!?


嬉しいに決まってるだろ!


……なんて言えねぇよなぁ…


でも…


「とにかくだ!おめー、その男を好きんなったきっかけはなんだよ!」


こんな楽しそうな靖友を見るのは久々だな。


………


二人の秘密。


俺だけしか知らない靖友の秘密。


靖友だけしか知らない俺の秘密。


誰も知らない靖友の表情。


……もっと見ていたい。


傍で一緒に笑いあいたい。


たのしいなぁ。


少し告白からは遠のいたけど、


いいこともあった。


たぶん忘れらんねぇだろうなぁ。靖友の表情。


でも、俺も


いつか靖友みたいにおめさんに気持ちを伝えたい。


だから、


それまでの間、


一緒にいさせてはもらえないだろうか?


「なぁ、新開、教えろってーノォ!その好きな人ってやつは誰なんだヨ!!」


見てろよ。


いつかその好きな人ってのに告白してやるから。


俺の気持ちを知らずに待ってろ!靖友!!




















俺の好きな人は、腐男子である。
────────────────完(?)
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