自転車BOOK

□俺の好きな人は
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俺はいま迷っている。


果たしてこのまま卒業していいのか。


いや、よくない。


よくないに決まっている!隼人!!


……自分に言い聞かせても言わなきゃ何もはじまらないんだよな…


だって告白っていったら誰しも緊張するものだろ。


たぶん。


高3の夏もおわるこんな大事な時期に


初恋に気づいてしまう自分が憎い。


なるほど、


これが恋か……


いやいやいやいやいや今更そんなこと考えるな!


考えるのはどうやって告白するか、だ。


寿一に相談してもお前は強いって言うか、大好きなリンゴを震えながら俺に渡してくれるだけだし、


たぶん寿一にとっての応援なんだろうけどさ。


悠斗に聞いても当たって砕けろ的なこと言われるし…


やっぱり直球が相手にとってもいいって言ってくれた尽八のアドバイスを実行するしかな────




「おい」


「うぉわ!?やや、や、や、やゃ靖友!?なんで!?」


「なんでって、てめーずっと俺の部屋の前で立ち尽くしてただろぉが!」


「え、でも靖友、部屋にいたよね?」


「おめーの甘ったるい匂いがしてきたんだヨ。んで?用件は何?」


さすが靖友。なにかといえば匂いだからな。


え、俺、いま靖友の部屋に招かれてる?


こ、こ、こ、こ、これはチャンス……なのでは……







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