バレーBOOK

□笑えたり笑ったり
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「お前、怖ぇよ…」






そんなこと言われたら…






やるしかねぇだろ…!!!!


















「んで、わざわざ昼休みを使って俺んとこに来たわけだな…」






「うす!菅原さん!!笑顔のやり方教えてください!!」






影山は単純というか、なんというか…






でもまぁ、日向からそう言われたらそうなるわなぁ……






影山が頭を下げてまで菅原に頼みこんでおり、焦った菅原は一応周りに誰もいないことを確認した。






「と、とりあえず頭あげて!影山!!」






その言葉におずおずと頭をあげる影山の姿に、菅原は可愛げも感じていた。






そんな菅原は可愛い後輩の頼みを断ることもできず…






「んじゃあ、とりあえずにこーって笑ってみろ!楽しいことでも考えてさ!!ほれ、にこー!!」






最高の笑みをした菅原にそう言われた影山は、口をへの字にして何やら考え始めた。






楽しいこと、楽しいこと…






……………



















にこぉ……






「うわぁ!!だめだだめだ!!影山!その顔は誰にもお見せできない顔になってる!!」






今までで一番怖い顔をした影山に、菅原は冷や汗を流したとともに






影山の必死さをも伝わった。






「…何を考えてそんな顔になったんだ…」






「いや…思い出、的な何かを振り返ったら及川さんとかそういう顔がでてきて…」






及川さん、という言葉を聞き、菅原は少しムッとした顔になった。






その顔を見た影山は、なにかしたのかと焦ったがすぐに菅原はいつものニコニコした顔に戻った。






また及川か…






「んー、バレーしてる時とか楽しかったり嬉しかったりしてるよな?そん時とか思い出したらどうだ!」






やはり影山の嬉しいことといえばバレーしかないだろう、と思った菅原は我ながらいい案だと思った。






だが影山はなにか不安そうな顔をして、菅原を見つめた。






「菅原さん……俺が楽しいことっていったらバレーしかないって思ってるんすか。」






「え、ま、まぁ一番最初に浮かんできたのがバレーだしな。」






そう言うと、影山はむすっとあからさまに不機嫌な顔をした。






「俺だってバレー以外で楽しいことあります…!!!」






そう言う影山は子供のようで、菅原にとってはとても愛らしく見えた。
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